こんにちは、講師のRitsukoです。
「曲を作ってみたい」
「音楽理論をもう少し理解して素人ミュージシャンから脱出したい!」
そんな風に思ってはみても、いざ音楽理論本を読んでみると、
短音階って何?ダイアトニックコードって何?とわからない事だらけで眠くなってしまいますよね。
そんな方のための音楽理論 基本の「キ」を優しく紐解いてみたいと思います。
さて、曲を作ろう!と思い立って、何から着手するかは人それぞれです。
メロディから作る人もいれば、歌詞から作る人、コードから作る人、リズムパターンやベースラインに着想を得る人もいます。
しかし、一番大きな要素はメロディ、コードですよね!
このメロディやコードも適当に作られているのではありません。
では何をベースに作られているのでしょうか。
それは、音階(スケール)です!
今回は、「音楽理論 基本のキ」の中でも最も重要と言える「スケール」についてわかりやすく解説しましょう!
音階(スケール)とは?
音階(スケール)と聞くと一番最初に思い浮かぶのは、
「ドレミファソラシド」
ですね。
「ドレミファソラシド=音階」と思っている方も多いと思いますが、実は、ドレミファソラシドは、多くある音階の中の一つで、正式には
長音階(メジャースケール)、もっと正確にいうとハ長調(ドを中心にしたキー)の長音階となります。
そうすると、今度は
「ハ長調って何?」
という疑問も出てきますが、「ハ長調」のことは、また次回に解説しますね!
それでは、音階とは何なのでしょうか。
音階とは、その名の通り音の階段です。その階段の上り方に規則があるのです。
そこで質問です!音は全部で何個あるのかわかりますか?
ドレミファソラシ、だけだと7個ですね。しかし、「ドとレ」の間、「レとミ」の間、「ファとソ」の間、「ソとラ」の間、「ラとシ」の間にも音があります。
ピアノで言うといわゆる『黒鍵』という音です。その5つを合わせると音は全部で12個あります。音は、1オクターブ(同じ音〜同じ音)が12分割されているのです。
ドとレの間の音??
小学校などで習う音楽では、「ドとレ」の間の音を「ドの♯(シャープ)」と言ったり、「レの♭(フラット)」と言ったりして、決まった呼び方を習ってない事がほとんどでしょう。
「ドの♯」と「レの♭」は同じ音なのにです。
また、ドイツ語では、ドの音を「ツェー(C)」、ド♯を「ツィス(Cis)」、レ♭は「デス(Des)」という呼び方があります。日本語では、本来の音名はドレミ・・・がハニホへトイロハなので、ド♯は「嬰ハ(エイハ)」、レ♭は「変二(ヘン二)」と呼びます。
あまりメジャーではありませんし、音名歌いにはちょっと長過ぎですね。
♯や♭も、ちゃんとした1つの音なのに、いつも日陰の存在で呼び名すらも付いていないとは可哀想ですよね。
日本では、音名歌いする時は「ド♯」、「レ♯」も「ド」、「レ」と歌ってしまう事がほとんどで、これが音感を悪くしたり、音楽に『??』を多くする大きな原因ともなっています。
ムトウ音楽メソッドでは、
ドレミファソラシ以外の5つの音もしっかり固有の名前で呼んでいます。「ド♯」or「レ♭」=ディ(di)
「レ♯」or「ミ♭」=メ(me)
「ファ♯」or「ソ♭」=フィ(fi)
「ソ♯」or「ラ♭」=ル(lu)
「ラ♯」or「シ♭」=セ(se)どれも前後の音のどちらかの母音が変化したものなので、すぐに覚えられると思います。
長音階(メジャースケール)とは?
さて、音階に話しは戻りますが、先ほど音階とは「音の階段」とお伝えしましたね。
音は12段の階段となっていて、
一番近い隣り合った音程を半音といい、
一つ飛ばした音程(半音2つ分)を全音といいます。
よって、長音階《ドレミファソラシド》は、
全全半全全全半
という並びになっています。
実は、この音階の音7つを使って行ったり来たりするだけでも、何となくメロディができるものなのです。
たとえば、いきものがかりさんの「ありがとう」の曲の始まりなども、
「ドレミファソー ラソーファミーファーミー」
と、長音階を行ったり来たりしています。
セリーヌディオンさんの「My Heart Will Go On」の名曲も
「ドードドードー・シードーードー・シードーーレー・ミーーレー」
と、いたってシンプルに音階の音が使われているのです。
名曲だからと言って複雑な難しい事をしているわけではないのですね。
短音階(マイナースケール)とは?
長音階の次に有名な短音階にも簡単に触れておきましょう。
長音階は明るい響きがしますが、短音階は悲しげだったり、長音階と対照的に暗い印象に聴こえるでしょう。
短音階は、3種類あります。
①自然的短音階(ナチュラルマイナースケール)
長音階の第6音からスタートする音階:
ド レ メ ファ ソ ル セ ド〈全 半 全 全 半 全 全〉②和声的短音階(ハーモニックマイナースケール)
自然的短音階の7番目の音を半音上げる。この音階については、「コード(和音)を作る時に使い安い」という感じで捉えたら良いでしょう。
ド レ メ ファ ソ ル シ ド〈全 半 全 全 半 増2(半音3つ分) 半〉
※ル・シのように増2度(半音3つ分)の音程があるのが特徴です。③旋律的短音階(メロディックマイナースケール)
和音的短音階の増2度の音程はメロディを作る上で適してないので、メロディを作りやすくするために、和声的短音階の6番目の音も半音上げた音階となっています。
ド レ メ ファ ソ ラ シ ド〈全 半 全 全 全 全 半〉
※上りと下りが違う音階となり、下りの音階は自然的短音階と同じになります。
例えば、悲しげな曲や固い決意、または逆に不安や迷いを感じさせるような曲を作りたい時など、短音階をベースとして作るのも一つの方法ですね。
童謡でいうと「赤い靴」や「ドナドナ」、ポップスでは中島みゆきさんの「地上の星」やポルノグラフィティさんの「サウダージ」などが短音階をベースに作られています。
さてさて、今回はスケールについて簡単にお話しをしましたが、いかがでしたでしょうか?
それでは、「スケール編」はこの辺りまでにして、次回は「音程・調 編」です!
それでは、お楽しみに♬