こんにちは!
Chromatic Music Lab.です♬
楽譜出版事業「宝音出版」より、
フレデリック・ショパン【即興曲集】
が出版されました。
ショパン:即興曲(アンプロンプチュ)
【即興曲とは】
即興曲はフランス語の「Impromputu(アンプロンプチュ)」の訳ですが、元々の意味は〈即席〉〈準備なし〉ということで、即興的に弾いた曲を指していたそうです。
しかし、次第に、即興で演奏したものや即興的につくられたものかどうかではなく、形式やリズムなどの縛りをなくし、自由な発想で作られた曲想をまとめた曲のことを指すようになり、クラシックにおける即興曲とは、このような楽曲のことをいうようになったということです。
もちろん、その場限りの即興ではないので、楽譜もしっかりと存在します。
最初にこのような表題を用いたのは、1817年、チェコの作曲家ボルシジェクだといわれているそうです。
また、ロマン派における即興曲の定義は曖昧であり、形式に分類できない小品なども含めて呼ばれる風潮もあったようです。
ショパン以外の有名な作品では、シューベルト「4つの即興曲」やフランツ・リストの「即興曲(夜想曲)」などがあります。
【ショパンの即興曲とは】
ショパンの即興曲は、第1番〜第4番まであります。
第1番〜第3番まではショパンの存命中に出版されたものですが、第4番(幻想即興曲)だけは死後出版された「遺作」で、実は即興曲の中で一番最初に作曲されたものです。
1849年、亡くなる前に、友人のユリアン・フォンタナ(作曲家。楽曲の写譜・清書、出版等から頼まれ事まで何かと親身にショパンを手伝っていた)に「自分の死後は出版しなかった楽譜は全て燃やしてほしい」と頼んだといわれています。
しかし、ショパンの死後、海賊版などが無許可で流出しはじめたことを嘆き、ショパンの意思に背いて、作品を整理し遺族の同意も得たうえで公式の遺作集を出したそうです。
その中には即興曲第4番も含まれており、『幻想』のタイトルもこの時フォンタナによって付けられました。
こうして世に出る事となった即興曲第4番(幻想即興曲)は、他にも手稿譜(Manuscript)は存在していましたが、『フォンタナ版』として広く認知され演奏されるようになりました。
しかし、1962年に、ピアニスト「アルトゥール・ルービンシュタイン」によって、即興曲第4番の自筆譜(Autograph)が発見されました。
ルービンシュタインが発見したこの楽譜には、この曲を贈ったとされるデステ夫人の名前も書かれており、強弱記号や演奏記号なども細かく書き込まれていたそうです。
フォンタナ版は音符以外の強弱記号や演奏記号などはフォンタナが書き加えたものであったため、現在ではルービンシュタイン版を決定稿と考え『原典版(Urtext)』として認知されていますが、フォンタナ版の方を好んで演奏するピアニストも多いようです。
即興曲集 (Impromptus)
今回出版された、ムト譜(3線譜)『即興曲集(Impromptus)』には、第1番〜第4番まで収録されています。
さいごに
ショパンの即興曲は、実際にコンサートなどで演奏される頻度は少なく、知名度は低いようですが、何故???と思うほどどの曲も本当に素晴らしい!
4曲それぞれに個性があって、華やかだけど少し影があるような、それでいて優しい雰囲気を持っているような感じがします。
色彩豊かなショパンの即興曲。ぜひ、ムト譜(3線譜)でチェックしてみてくださいね☆