ノリノリのライブや盛り上がったカラオケパーティで手拍子したいけど、なんだか気持ち良くリズムに乗れない・・・みんなとズレてるのはなぜ?
「わたし、リズム感ないわ〜(><)」
と嘆くあなた!
諦めないでください!リズム感は必ず改善されます。
という訳で、こんにちは。ボーカルトレーナーをしている講師のRitsukoです。
リズム感とはなんぞや?レッスンで日々指導していると、大なり小なりリズム感に悩みを持っている方がとても多いなとつくづく思います。
という事で、今日は
『リズム感をどうやったら身につけられるか』
という事をお勉強したいと思います♬
リズムの基本とは、流れて行く音楽の中で脈々と刻まる時計のようなものです。
時計は、ご存知の通り一番細かい単位は秒針ですよね。
秒針は「チクタクチクタク」と途切れる事なく刻み続けています。
その刻みが安定して正確に刻まれていれば、分も時間も必然的に正しく刻まれます。
セッションなど、何人もで一緒に演奏する時は特に、演奏者全員の秒針が同じでなくてはならないのです。
逆に言うと、同じ秒針をみんながしっかり感じていれば、オーケストラや合唱のようなどんなに大人数でも、音楽はしっかり一つにまとまります。
音楽でいうと、一番細かい刻みは、8ビートであれば8分音符、16ビートであれば16分音符となります。
メロディは、音が伸びたり早く動いたり休みだったりするわけですが、基本的には秒針と同じような一番細かい刻みのどこかに当てはまります。
ゆえに、体の中の秒針は、メロディが休みでもロングトーンでも刻み続けなくてはいけません。
リズムが苦手な方は、この秒針が不安定になってしまう事が大変多いのです。
拍をしっかり刻めるようにしよう!
拍の基本といえば、代表的なのは、
全音符(ゼンオンプ)、2分音符(ニブオンプ)、4分音符(シブオンプ)、8分音符(ハチブオンプ)、16分音符(ジュウロクブオンプ)です。
32分音符もありますが、ポップスなどではあまり出てきません。
拍子も色々ありますが、今回のブログでは、4/4拍子で説明していきます。
上の図がそれぞれの音符表記です。
- 全音符:4/4拍子の曲であれば1小節に1音めいいっぱい伸ばす拍。
- 2分音符:全音符の半分の長さで、4/4拍子の曲であれば1小節に2つ均等に打つ拍。
- 4分音符:2分音符の半分の長さで、4/4拍子の曲であれば1小節に4つ均等に打つ拍。
- 8分音符:4分音符の半分の長さで、4/4拍子の曲であれば1小節に8つ均等に打つ拍。
- 16分音符:8分音符の半分の長さで、4/4拍子の曲であれば1小節に16均等に打つ拍。
メロディは基本的にはこれらの音符の組み合わせになります。
※ ポイント ※
リズム練習では、常にメトロノームを鳴らしながら練習しましょう!
リズム感の悪い人の一番の特徴は、外部の音(カラオケ)を聞けていません!
カラオケはギター、ベース、ドラムなど沢山の音が鳴っているので、リズムトレーニングでは最もシンプルなメトロノームに合わせましょう。
メトロノームの拍にシンクロするくらいピタッと合わせられるようになった時は、だいぶリズム感が良くなってきてると思って良いでしょう。
また、メトロノームのアプリも色々あります。8分音符、16分音符などを選択できるアプリが良いでしょう。ここでは、「Tempo」を使用しています。
リズム練習1:(動画あり)
4分音符、8分音符、16分音符を同時に刻めるようにしよう。
- まずは、メトロノームを準備。
(スマホでも無料でアプリがダウンロードできます。) - 4/4拍子、♩=60のテンポで8分音符を鳴らします。
4分音符の音と同時に、左手で机などを軽く打ってみましょう。
※ここがポイント:0.1秒もずれないように完全に一致させるように意識しましょう。だいたいではいけません!ジャストなリズムは点のイメージです。 - 左手が安定したら、同時に右手で8分音符を打ちましょう。
- 左手で4分音符、右手で8分音符が同時に打てたら、さらに声でタカタカタと16分音符を言ってみましょう。
※画像を修正いたしました。 - 4分音符と8分音符と16分音符を同時に刻めたら、表拍にアクセント(強めに打つ)をつけます。
※ここがポイント:「左手」「右手」「声」の音が同時になるところで「左手」と「右手」と「声」全て強くアクセントをつけます。 - 今度は”5″と同じように打ちますが、裏拍にアクセントをつけます。
ここでは左手は打たない拍なのでアクセントをつけるのは右手と声だけです。
60のテンポで4分音符、8分音符、16分音符が同時に刻めましたか?
難しかった方は、4分音符と8分音符だけでの組み合わせ、または8分音符と16分音符だけの組み合わせと分けて練習をしましょう。
体の神経は繋がっているので、左手で4分音符、右手で8分音符を打つだけでもつられてしまう方もいます。そういう時は、繋がった神経をしっかり分割して切るようなイメージを持ち、ゆっくりのテンポでやりましょう。
《リズム練習1:動画》
リズム練習2:(動画あり)
16分音符を両手で打ちながら、4分音符と8分音符と16分音符の色々なリズムパターンを声で出してみましょう。
- メトロノームで♩=60のテンポで4分音符を鳴らします。
※リズム練習2の最後まで鳴らし続けます。 - “1”に合わせて、両手を交代で太鼓を打つような要領で16分音符を打ってみましょう。
※リズム練習2の最後まで打ち続けます。
【例】右手から始めた場合
※ここがポイント:4分音符の「①②③④」の所にアクセントをつけましょう。
- “2”に合わせて、メトロノームの音と同時に4分音符を「タン、タン、タン、タン」と声に出してみましょう。
※ここがポイント:メトロノームの音と手のアクセント、声の「タン」がしっかり揃う事を意識しましょう。 - “2”に合わせて「タッタッタッタッタッタッタッタ」と8分音符を声で出してみましょう。※ここがポイント:手のアクセントをつけてる”4分音符”の所に、声の「タッ」も軽くアクセントを付けてみましょう。 強、弱、強、弱と交代に声を出してることになります。
- “2”に合わせて、声は4分音符と8分音符を交互に「タンタッタッ」と組み合わせてみましょう。
- “2”に合わせて、口でも「タカタカタカタカ」と16分音符を声に出してみましょう。
※ここがポイント:ここでも手のアクセントと同時に発音する「タ」にアクセントをつけます。 - “2”に合わせて、4分音符、8分音符、16分音符を組み合わせたリズムを声に出します。「タンタッタッタカタカタン」を繰り返してみましょう。「4分音符、8分音符2つ、16分音符4つ、4分音符」の順です。
- “2”に合わせて、色々なリズムパターンで同じように練習しみましょう。
さぁ、時計でいえば一番細かい秒針の役割をする“16分音符”を手で打ちながら、色々なリズムパターンを口ずさむ事ができたでしょうか。
難しくてできない!という時は:
テンポをゆっくりにしましょう。ここでは基本♩=60bpm(1拍=1秒)の速さにしてますが、できない場合は50bpmでも40bpmでも構いません。
できるテンポまで下げて楽にできるようになったら、少しづつテンポを上げて脳の処理速度を上げていきましょう。ゆっくり、しっかりできるテンポから上げていく方が、できない速さで無理に練習するよりも近道です。今まで、ゆっくり下げてできなかった方は一人もいません。
《リズム練習2:動画》
リズム練習3:(動画あり)
タイのついたリズムを練習しましょう。
※タイとは、2つの同じ音程の”音符”を孤線によって結ぶことによって、ひとつの音符のようにつなげて演奏することです。
- メトロノームで♩=60のテンポで今度は16分音符を鳴らします。
※リズム練習3の最後まで鳴らし続けます。 - “1”に合わせて、両手を交代で太鼓を打つような要領で16分音符を打ちます。
※リズム練習3の最後まで打ち続けます。
メトロノームの「ピコココ」とずれないようにしましょう。 - “2”に合わせて、「リズム練習2の5」で行ったリズム(4分音符と8分音符を交互に組み合わせたリズム)に、タイをつけたリズムを口ずさみます。
「ターーーター」の要領です。
- “2”に合わせて、4分音符、8分音符、16分音符を組み合わせ、タイもいろいろなところにつけたリズムを、練習します。
「リズム練習2の8」のリズムパターンにタイをつけたリズムです。
タイをつけたリズムもできたら、好きな曲の楽譜をみながら16分音符を叩きながら歌ってみましょう。
リズム練習として歌う時は、多少なめらかさがなくても大丈夫です。まずは、リズムの縦のラインがしっかり合うように意識しましょう。
《リズム練習3:動画》
リズム練習4:
実際の曲で練習してみましょう。
ここでは、一青窈さんの「ハナミズキ」の冒頭で練習してみましょう。
- メトロノームを♩=60のテンポで、16分音符を鳴らします。
- “1”の「ピコココ」に合わせて両手で16分音符を打ちます。両手の刻みは何があっても揺らいではいけません!これは秒針のチクタクのイメージです。
- “2”に合わせてメロディを歌いましょう。
※ポイント1:メロディは両手の刻みのどこかに必ず当てはまります。どこに当てはまっているかをしっかり意識しながら歌いましょう。
※ポイント2:タイや休符で音がない所も拍を(特に強拍=4分音符の拍)をしっかり意識しましょう。
16分音符を刻む場所に、赤いラインで表記してみました。
タイミングは以下の3線譜の通りです。
どうでしょう?できましたか。
一番細かい単位の16分音符を刻みながら歌えたら、両手の刻みを8分音符や4分音符に変えて歌ってみましょう。
ここを意識できたら上級者
ここまでは、リズムが苦手な初級者の方のために、拍を最小単位に切り刻み、身体でチクタクチクタクと鳴らせるリズム時計を叩き込む練習をしました。
しっかり身体にリズム時計が備わればもう中級者です。そこから上級者になるためには何が必要か!?
裏拍を制する
リズム感がない人は、ほとんどの方が裏拍が苦手です。
裏拍とは?小学校などで1ト2ト3ト4トと教えられたことはあるでしょうか?
ダンスをされたことにある方ですと「ワン エン トゥ エン スリー エン フォー エン」と先生がカウント取るのを聞かれたと思います。この1トの「ト」の部分、ワン エンの「エン」のところが裏拍です。
4分音符を手拍子で叩く時も裏拍を感じることが大切です。
またポップスなどの手拍子を打つ時は、表拍(強拍)で打つとダサい感じになってしまう事が多々あります。裏拍で手拍子を打つ練習をしましょう!
メトロノームを8分音符で鳴らし「ピッコッ」の「コッ」の部分で手拍子をする練習や、
「1ト2ト3ト4ト」と口でカウントし「ト」の所で打つのも良い練習です。
リズム練習1の6はまさに裏拍の練習となってます。
拍のまとまりを円で感じる
ここまでは、初級者の方のためにわかりやすく拍を点でとらえて、縦軸を揃える事に徹してきましたが、
上級者となるには、点と点を結んでその間をラインでつなげ、1拍のまとまりを円で感じます。
16分音符のタカタカで 一円、2拍毎、1小節毎、4小節毎にも一円、要するに大きな4小節の円の中に小さい円が沢山あるイメージです。そのイメージが持てるようになったら、リズム上級者と言っていいでしょう!
円を意識できたら、
お気に入りの曲のドラムのリズムを意識して聞いてみよう!
とてもオススメのトレーニング方法です。
16ビートの曲なら、ハイハットは「ツクツク」の連続で16分音符を刻んでいるので、耳を傾けると1拍毎の円が感じられるでしょう。
スネアドラムは2拍と4拍目に入ります。耳を傾けると、2拍毎の円が感じられるでしょう。バスドラムは「ドンッドドン」と1小節毎の円を感じられるでしょう。
その円を感じながら、それに沿うように歌うとメロディも平坦な棒歌いにならず、自然な抑揚が生まれグルーブ感にもつながってきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
リズム音痴克服のためのヒントになれば幸いです。
大事な事は、
- 体に正確なリズム時計を身につける
- 外部の音をよく聞いて合わせる
- 裏拍を取れるようにする
- 拍のまとまりを円で感じる
リズムトレーニングは苦手な方にとっては、避けて通りたい程の険しい山ですよね!
しかし、音楽を楽しむためには、この山は絶対に避けては通れないのです。
どなたでも、正しくトレーニングすれば必ず身につけられます。
ご紹介したトレーニング方法は、ほんの一例です。それぞれの方にとってコツをつかむきっかけは様々です。私のレッスンでは、手足を使って軽くステップしながらリズムをとったり、大縄跳びの回転をイメージしてもらったりとその方に合うアプローチを探しながら糸口を見つけています。
あなたに合うトレーニング方法もきっとあるはずです。
そして、乗り越えてみると、音楽に気持ち良くノレる事の素晴らしさ、楽しさに
きっと出会えますよ♬