「私オンチなので人前で歌えないんです」
せっかく素敵な声をしてるのに、オンチは治らないと思い込んでいる方!
もったいないです!
私がオンチを直してさしあげましょう!
という訳で、こんにちは。ボーカルトレーナーをしている講師のRitsukoです。
音楽の事、歌の事で悩んでいる人がいたら少しでも助けになりたいと日々思いながら過ごしております。
さてさて、オンチとはいったい何でしょう。
音楽辞典などではこのように記されています。
音痴(オンチ)とは、先天的な欠陥などによって音楽的な認識ができないこと
しかし、私が出会った事のある「自称オンチさん」達の中に本当のオンチはいないと断言してもいいでしょう。
すると、一般的に認識されてるオンチというのは一体どのような事なのでしょうか。
それは、
「自分の歌声を楽器や他の人の声の高さに合わせられず、音程が外れてしまう」
という事のようです。
中にはリズム音痴さんも多くいますが、今回は
「音程が合わせられない」という悩みにフィーチャーしていきましょう。
どうして音程が合わせられないのか。
大きく分けて3つの原因が考えられます。
- 耳の悪いオンチさん・・・
- 音域が狭いオンチさん・・・
- コントロールができないオンチさん・・・
★耳の悪いオンチさん・・・
自分の歌の音程がズレている事に気づく事ができないが、周りの人から音程が外れてると言われた事がある。
★音域が狭いオンチさん・・・
自分の歌い易い音域ではだいたい音程を合わせられるが、歌い易い音よりも高音または低音を歌おうとすると外れてしまう。
★コントロールができないオンチさん・・・
音程がズレている事はわかるが出したい音程で歌う事ができない
さあ、お悩みのあなたはどの原因に心当たりがあるでしょうか。もちろん、ハッキリ白か黒かのように分かれるわけではありません。割合は人それぞれですが3つの原因が多かれ少なかれミックスしていると言っていいでしょう。
オンチを直すためには。
「耳オンチさん」の克服法
◎ 録音して客観的に自分の声を聞く
自分で歌っている時には気づかないが、客観的に録音して聞いてみると気づく場合も多くあります。
◎ 一つの音にピッタリと音程を合わせる
一番合わせ安いのは人の声です。
信頼できる耳と歌声を持っているボイストレーナーに誘導してもらいながらしっかり合わせ、正しい音程で歌う経験値を増やす。
◎ 自分の声がどのくらい外れているのか自覚する
初めは上にズレてるのか下にずれているのかもわからないと思いますが、誘導してもらいながらどのようにズレているのか認識します。
◎インプット(耳)とアウトプット(声)をリンクさせる
聞いた音と歌う音を一致させる。
耳オンチさんは、自分がどのくらい音程が合っていないか自覚できたところで
「コントロールができないオンチさん」に昇格です!
「音域が狭いオンチさん」の克服法
◎自分の音域を認識する
「歌として使える音域」と、声は出てるが「歌としてはまだ使えない」音域は違います。それぞれを認識しましょう。
◎歌いたい曲のキーを自分の音域に合わせる
ただし「歌として使える音域」が1オクターブしか出ないなのに
2オクターブ使う曲を正しく歌うのはかなり困難です。
しかし、メロディの中には大事な音とそれほどでもない音がありますので、しっかり聞かせたいメロディ(多くはサビの高音)に合わせるのが良いでしょう。
◎音域を広げるボイストレーニングをする
キーをサビの高音に合わせると言っても、あまりに低い音がずれているのもやはり気になるはず。音域はトレーニングで広げる事ができます。
「コントロールができないオンチさん」の克服法
◎ 和音の出る楽器を弾きながら歌う
一つの音と声で合わせられるようになったら和音と調和して歌えるようにします。
◎ 音情報を「耳」「目」「身体」「声」で一致させる
モニタリングする癖をつける。
◎本気でオンチを直したいのであれば音楽を理解する
音楽を理解すると言われても・・と困惑してるあなた!
実はズレてるのはわかっているのに「コントロールできない」という悩みは全てのオンチさんが持っているといっていいでしょう。
さあ、この辺りがオンチ克服の一番のキーポイントです。
わかりやすく説明していきましょう。
本気でオンチを根本治療するためには
ここからは、本気で直したい人だけお読みください!
一番大事な事は、
音楽を理解する事。
そして、音の情報を
「耳」「目」「身体」「声」で一致させる事。
まず音楽を理解する手始めとして、音というのは全部でいくつあるか知ってますか?
一般的な音楽で使われてる音は、1オクターブ(同じ音〜高さの違う同じ音)を12分割されている12平均率という調律法が使われているので全部で12個しかありません。
一番小さい音の距離間を 「半音」といいます。
つまり、ドから半音づつ上に上がっていき12個上がるとまたドに戻ってきます。
それはレから始めてもミから始めても同じです。もちろん、下がっていっても同じです。
そして一番よく知られている音階「ドレミファソラシド」は、
一定の距離で並んでいるのではなく、ある法則に基づいて並んでいるのです。
オンチを直すというのは音の距離を正しく掴む事です。
ド〜ミという距離、ド〜ソという距離、ド〜ドという一オクターブなどの距離感を掴むためには、目でもその距離を目視し、身体でもその距離を感じる。そして耳で実際の音を確認しながら同じ音を歌う。
それが簡単にできるのが和音の出る楽器で弾き歌いをする事なのです。
しか〜し、
実はその距離感が正確な楽器でトレーニングするのと
正確でない楽器でトレーニングするのでは身に付くスピードが全然違ってきます。
和音の出る楽器で誰もが一番初めに思いつく楽器はきっとピアノでしょう。
そこで質問です。
みなさんは、「ド〜ミ」と「ミ〜ソ」はどちらが距離が広いと思いますか?
なぜか「ミ〜ソ」を広く感じる方が多いようですが、正解は「ド〜ミ」です。
上の音階の表を見ると一目瞭然ですね。ドとミの間にはド♯(ディ)、レ、レ♯(メ)と間に音が3つあります。間に音が3つある距離を「長三度」と言います。
そして「ミ〜ソ」の間にあるのはファとファ♯(フィ)の2つです。間に音が2つある距離を「短三度」と言います。
しかし、残念な事にピアノで弾いた場合、「ド〜ミ」も「ミ〜ソ」も感覚的に同じなため、その距離感の違いを説明しないと理解できません。
それでは当ラボで使用しているクロマトーンの場合はどうでしょうか
※クロマトーンについて詳しくはこちら
クロマトーンは斜め上下は半音、隣同士は全音(半音2つ分)と
規則的な配列をしているため音の距離と押さえ方が
完全に一致しています。
つまり、ドと2つ右隣のミの音は長三度という距離ですが、何の音からでも2つ右隣、または2つ左隣の音との距離は長三度なのです。
ピアノの場合、ある程度のレベルになると「長三度というのはこういう事なんだよ」
実は「ド〜ミとミ〜ソは距離が違うんだよ」などと説明をする事になりますが、
クロマトーンの場合、説明や理屈を聞くまでもなく直感で距離感を理解する事ができます。
音の距離が定規のように正確に配列されているため、正しい音程距離を目でも身体でも正確に感じる事ができるのです。耳、目、身体、歌声の4つを正しい情報で一致させる事により、音感や音程は自然としっかりと身に付きます。
しかし、
「ちょっとカラオケで歌が上手くなりたい」という気軽な気持ちの方にとっては、
クロマトーンを弾くと良いと言われても、とたんに「大変そう」と思ってしまうかもしれません。(実は全然大変ではないのですが)
そこでラボのレッスンでは、音程矯正や音感を養うために音の定規のような役目を果たす音程表と音の距離が正確に記されてる楽譜「3線譜」を使ってレッスンをしています。
また、曲のレッスンでも正しいメロディラインをトレーナーが一緒に歌ったり弾いたりしながら、目で正しい距離の楽譜を見て距離感を感じます。
そして、歌うメロディが少しでも外れたら正しい音程に誘導するという指導を繰り返し行うと、音程はかなり良くなってきます。
自宅での練習では、iPadやアンドロイドをお持ちの方でしたら無料でクロマトーンのアプリをダウンロードができますので、より早く音程感覚が身に付いてくるでしょう。
レッスンでは、まず音程表を使いながらボーカルトレーナーと一緒に同じ音を声に出していきます。当然、初めはなかなかピッタリの音が出せません。
せっかくのレッスンなので「だいたい」ではなく、
完璧に音の波長がピッタリ合う所までしつこく誘導し、今、
どの位低めのか、どの位高めなのかを音程表の中でトレーナーが示していきます。
ピッタリ波長が合うと、ズレてたピントがクッキリ明確になるような感覚があります。
その感覚を是非実感して欲しいのです。初めは一オクターブ全ての音を一音一音ピッタリ合わせるのに何分もかかりますが、回を重ねていく毎にどんどん早くなってきます。
さいごに
これらの指導方法は、ムトウ音楽メソッドに基づいて行ったものです。
私は、この方法で音程指導を行って、「耳と目と身体と声で音の情報を一致させる」という事の必要性を確信しました。
一つの音の情報が身体を通して一致する事が身に付けばどんなに複雑な音楽やメロディであっても自然と音を合わせるようになってきます。
正しい距離で記されている楽譜というのは、正しい縮尺で記されている地図のようなものです。縮尺の狂った地図で旅に出たら方向感覚も混乱してしまいますよね。
音楽も同じなんだなと思う今日この頃です。
私のレッスンはChromatic Music Lab.にて月・火・水・金を担当させていただいております。もしも、この記事を読んで興味を持って頂いた方は、無料体験レッスンもおこなっておりますので、是非お気軽にいらしてみてくださいね♫
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それでは、また近いうちに音楽関連のお役立ち情報をお届けしたいと思います〜♬