こんにちは!
Chromatic Music Lab.です♬
楽譜出版事業「宝音出版」より、
ソナチネアルバム 第1巻
が出版されました。
ソナチネアルバム 第1巻(Sonatina-Album1)
ソナチネとは?
「ソナチネ」とは、簡単にいうと「ソナタ」をぎゅっと縮小したような楽曲を指します。
実は、「ソナタ」の使われ方は時代によって違っており、バロック時代では、楽器曲を「ソナタ」と呼んでいたそうです。その後、様々な経緯を経て、古典派の時代に広まったのが、現在知られている形式の「ソナタ」であると言われています。
基本的に、第一楽章〜第三、第四楽章で構成されており、第一楽章はテンポが早めの【ソナタ形式】が用いられています。
つまり、「ソナチネ」も、第一楽章は【ソナタ形式】で書かれています。
「ソナチネ」は「ソナタ」に比べ、技術的にやさしく、形式の展開部が省略されていたり、楽章の構造が簡潔であるため、生徒の教材用として普及したとされます。実際に、弟子や生徒さんのために作られた楽曲もあるようです。
ただし、「ソナタ」「ソナチネ」の定義は曖昧で、技巧的にやさしいソナタを「ソナチネ」と呼ぶ事もあるそうです。
19世紀後半以降になると、ラヴェルやシベリウスのように、形式は古典的でも、技術的に難易度も高く、芸術性の高い作品の「ソナチネ」も作曲されています。
ソナタ形式とは?
「ソナタ形式」とは、クラシックの形式の1つであり、基本的には構成が以下のような形になります。
『形式』を、音符のイラストで中の色が調、枠の色がメロディーモチーフとして表してみました。
音符の中の色が同じだと、調が同じということです。
音符の枠の色が同じだと、メロディモチーフが同じということです。
提示部:主題(テーマ)を掲示する部分 第一主題→経過部(転調)→第二主題→小結尾部、の順番で進む。 経過句で転調し、第一主題と第二主題の調性が異なる。 掲示部は主題をハッキリさせるために、繰り返すことが多い。
展開部:主題(テーマ)を展開する部分 第一主題、第二主題で現れたモチーフを、転調させたり、変奏させたりと、多様に展開される。 緊張感が高まり、盛り上がる部分。
再現部:掲示部を再現する部分 掲示部と同じ、第一主題、第二主題が出てくるが、再現部での経過句では転調せず、第一主題と第二主題は同じ調性となる。
「ソナタ形式」の特徴の1つが、第一主題と第二主題の関係性です。
基本的な法則は、
【主調が長調の場合】
掲示部では、第一主題が主調となり、第二主題は5度上の調(属調)に転調。
再現部では、第一主題、第二主題とも、主調となる。【主調が短調の場合】
掲示部では、第一主題が主調となり、第二主題は同じ音階の中の長調(平行調)に転調。
再現部では、第一主題、第二主題とも、主調となる。
今回出版された、「ソナチネアルバム 第1巻」の収録曲はほぼ長調の曲となっています。
16番目に収録されている『ベートーベン/Op.49 No.1』のみ短調の曲です。
ソナチネアルバム 第1巻
さいごに
様々な音楽家のソナチネ曲集となっているので、それぞれの個性を聴き比べてみるのも楽しいと思います。
また、ソナタ形式をアナリーゼするのにも、1曲がちょうど良い長さなのではないでしょうか。
分析してみると、なかなか面白いものですよ♫